看護師の本の選び方

• 買う前に「目的」をはっきりさせる
• 「時間」と「お金」を意識する
• 読んだだけで満足しない本を選ぶ

買う前に「目的」をはっきりさせる

　本で学習する上で、最も意識しなければならないことは「情報と知識の近い分け」です。私なりの解釈では「情報」とは「リアルタイムで知りたいこと」、「知識」とは「これから先も必要になること」と使い分けています。本で得られるものは「知識」であり「これから先も役立つもの」として考えると良いと思います。逆に「情報」として欲しいものは今必要なわけですから、人に聞いたり、ネットで調べたりする方が時間的にも有意義な場合もあります。

　例えば、私は看護学生の頃に薬について勉強するために分厚い薬剤辞典のようなものを購入しました。しかし、今は知りたい薬があればネットでインタビューフォームや添付文書を見るようにしています。薬について知りたいと思う時の大半が「今患者さんが使っているから知りたい」ということなので、わざわざ帰宅途中に書店に寄ったり、ネット注文で数日かけて取り寄せても意味がないことがあります。休憩時間にスマホ片手に調べられれば十分な内容です。

「時間」と「お金」を意識する

　本を買うためにはお金が必要なのは言うまでもありませんね。医学書や看護関係の本って平均すると2000～4000円/冊あたりでしょうか。高価なものであれば１万円近くします。先に述べた情報と知識の使い分けもそうですが、本の値段に見合った知識が得られるかも重要です。そして、本を読むためには「時間」を消費します。皆さんの貴重な時間を割くわけです。医学書にしても看護の本にしてもとにかく「難しい言葉が多い」と私は感じています。学習には継続が必要ですが、だらだらと時間をかけていいものでもありません。皆さんが学習しようとしていることが「いつまでに習得すべきことなのか」を考え、「その期間までに読んで理解できそうな本」を選ぶことをお勧めします。難しい本が必ずしも良い本とは限らないと覚えておくと良いでしょう。

読んだだけで満足しない本を選ぶ

　ここでもう一度本を買う目的に返ってみましょう。皆さんが本を必要としているのは「勉強する」ためですが、そもそも勉強する目的は「仕事に活かすため」です。ですから仕事に活かせない本を買ってもその価値はあまり高くないということになります。ではどんな本が仕事に活かせるでしょうか？結論から言うと「人それぞれです」。皆さんは先輩から「この本で勉強するといいよ」なんて本を勧められた経験の一度や二度はあるのではないでしょうか？実際に手に取って読んでみて、「確かに詳しく書かれているけど、自分には難しそうだ。でも先輩が勧めるからこれで勉強しよう」と思ったことはありませんか？（実際に自分が勧めた本を持っている姿を見れたら先輩も少し嬉しいと思います）。また本を買っただけで満足しているなんてことはありませんか？本を買う本当の目的は「仕事で活かせる知識を得ること」です。つまり皆さんが「行動に移せる知識を得ること」が本を買う目的になります。仕事に活かしていくためには、「できるだけ早く行動に移す」ことが大切です。知識はアウトプットすることで、より強く定着します。初めは簡単な本でもいいので、「とにかく仕事で実践できる本」を選ぶ方が良いでしょう。